天漂空録

彼らは閉じた世界で、もがき、足掻き、必死に生きる

2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

その弐 「三の異端 ~炎の章~」

夢を見ていた 俺が? ・・・・・・否、“あいつ”が見ていた。 月雲家から帰ってきた俺は部屋にある鏡台に手をかけ、鏡の中の自分を見つめていた。 目に刻まれた印は、嫌でもあの日のことを容易に思い出させる。 自分の力の足りなさを思い知らされた、あの日の事を。…