天漂空録

彼らは閉じた世界で、もがき、足掻き、必死に生きる

その壱 「三の異端 ~雷の章~」

 

 

 

 

 

何一つ、不自由のない生活をおくっている


何一つ、変わり映えの無い日常を過ごしている

妖と戦い、人々に平穏をもたらし、束の間の休息を与えられ・・・・・・それを繰り返す



俺にこの“痣”と、昔の記憶がないこと以外は、至って平穏だ。














浅紫色の髪を揺らし、女性は彼らを見てにかりと笑う。

「異常はない」・・・・・・その言葉を何度聞いた事だろう。

 

灰髪の青年は、安堵したように肩に手を添えながらほっと息を吐く。

赤髪の青年はやや腑に落ちない様子で、目を閉じ顔を顰(しか)めている。

黒髪の少年―とはいえ、二人よりも背は高いが―は、灰髪の青年と同じように息を吐いた。

 

そんな三人の様子を見て、女性はけらけらと笑う。

 

「三人共、気を張りすぎちゃいけないよ。ただの検査みたいなものなんだからさ」

 

その言葉に黒髪の少年が、はは、と苦笑を溢す。

当の本人達にとっては冗談抜きに“異常”があってはいけない。

正直な話、気を張らない方が可笑しい話だ。

・・・・・・自分はまだ良いのだが、二人は特に気を張るだろう。

 

微妙な空気が流れる中三人の後ろにある襖が勢いよく開き、前に居る女性と同じ浅紫色の髪を二つに結わえた少女が現れた。

 

「かかさま! 皆が来たら教えてって言ったじゃん! というか起こしてよ!」

 

少女は大声で女性(ははおや)にまくし立てる。

女性はやれやれ、と言った表情で溜息交じりに話す

 

「起こしても起きなかったのはお前さね。私は悪くないよ」

「うっ・・・・・・そ、それはぁ・・・・・・」

 

少女は思わず口ごもった・・・・・・と思いきや、次の瞬間には三人の方へと目線が向かっていた。

 

「そんな事より、大丈夫だった? 異常は? どこにもなかった?」

 

そう言いながら三人にずかずかと近付き目の前に座った。

まるで嵐の様な彼女の言動にたじたじになる黒髪の少年と、うんざりしている様子の赤髪の青年を横目に、灰髪の青年が制止を掛ける。

 

「まぁ待て灯(あかり)、そんなに心配しなくても今回も特に何もなかったぜぃ。いつも通りさ」

 

そう言いながら、自身が灯と呼んだ少女の頭を笑いながら撫でた。

ならいいけど、と彼女は安堵の息を漏らす。

 

そんな二人を見ていた赤髪の青年が、徐(おもむろ)に立ち上がり部屋を出て行こうとしていた。

それを黒髪の少年が引き留めようとするも、彼は一瞥したのみで廊下の向こうへと消えていく。

赤髪の青年の行動を見ていた灯は頬を膨らませた。

 

「もー! なっちゃんてばー! 終わったら皆で一緒に修行しよって昨日言ってたのにー!! 空気読んでよねー!」

「・・・・・・仕方ないよ。二人はあの日以来、ずっとあんな風なんだから。

・・・・・・二人で一緒に居てくれる事自体珍しいし」

「もー! もぉー!! 九十九(つくも)はそれで良いわけ!?」

「良いも何も、本人たちじゃなきゃどうしようもないからさ・・・・・・」

 


灯を宥め(なだめ)、黒髪の少年――九十九と呼ばれた彼は少し悲しそうな顔をして灰髪の青年を見る。

その彼はと言うと、何とも言えない複雑な表情で廊下を見つめ頭を掻いていた。

そんな彼に女性が、忘れていた、と声を掛ける。

 

「・・・・・・まだ何も思い出せそうにないかね?」

 

その言葉に青年は振り向いて驚いた顔した後(のち)、笑う。

 

「残念ながら、なぁんも」

 

青年の表情は、笑っていても・・・・・・否、確かに笑っているというのに、少しの感情も感じられなかった。

 

――まるで、人形のように。

 

あぁ、でも、と青年は口を開く。

 

「夢は見る。同じ夢を何度も何度も。

白い髪の女の子と、黒い髪のおっさんがいて。

一つの部屋みたいなところで何か話してて・・・・・・その一瞬しかない夢だけどよ。その夢を何度も、何度も見る」 

 

天井を見つめながら、思い出す様に話す青年はどこか遠くを見ているようで。

思わず九十九が話しかけようとすると、青年は何かを思い出したかのように手を叩く。

 

「いけねぇ、依頼が入ってた事忘れちまってた! ありがとよ小母さん! また来週も頼むな!」

 

そう言うと彼は立ち上がり、自身の言葉遣いとは似つかわしくない礼儀正しい一礼をした後、手を振って足早に帰って行った。

女性はまたやれやれ、と苦笑いし立ち上がると奥の部屋へと入って行く。

 

残されたのは灯と九十九のみ。

はぁ、と二人は同時にため息を吐いた。

 

「なんだろうなー・・・・・・ほんと、あの二人は。

私達に何も言わないし・・・・・・年上だからって、ぜぇんぶ抱え込んじゃってさぁ」

「仕方ないよ、男は皆そんなものだから。僕もきっと、同じ立場ならそうするさ。・・・・・・でも違う立場だからこそ、こんなにも心配しちゃうんだろうね」

 

九十九の言葉に灯はまた深い溜息を吐く。

・・・・・・そんな部屋の外で、響く物音。

ふと九十九は耳を澄ます。人数は・・・・・・三人程。それも子供。

 

・・・・・・頭の中で浮かんだ三人に、ふ、と笑いがこぼれる。

それを訝しむように見た灯に対し「お客さんみたいだ」と笑いかけた。

 

そうして間も無く廊下に立ち連なる三人の子供。

 

「あれー? 風っ子達と竜太郎(りゅうたろう)だー」

 

そこに居たのは萌葱色の髪をした瓜二つの顔をした二人の子供と、その二人より少し大きい背丈をした浅葱色の髪の竜太郎と呼ばれた少年。

声を掛けられた双子は表情を輝かせて交互に喋り出す

 

「あかり! あかり! しゅぎょうするって聞いてきたよ!」

「つくも、つくも、ぼく達もまぜてほしいな! 遊びたいな!」

 

二人とも目をらんらんと輝かせ期待に満ちた表情で灯と九十九を見ている。

その二人はと言うと、顔を見合わせ苦笑した。

 

「ごめんね風っ子たちー・・・・・・約二名が逃走して全員での修行はお預けなのさ!」

「「えー!!」」

 

思った通りの双子の大ブーイング。予想はしていたから大して驚かない。

すると竜太郎が聞き辛そうに何かあったのか、と聞いてくる。

灯が首を振り「いつもの」とだけ答えると彼は成る程、と納得した様だった。

 

「風子と風太に連れられて来たんですけど、何もないなら帰った方が良いですよね。

・・・・・・僕、家の仕事を手伝わなきゃいけないですし、失礼します」

 

苦笑いをしながらそう言ってぺこりと頭を下げると、竜太郎はしっかりした足取りで来た道を戻っていった。

そんな彼を見た双子は騒ぎ出す。

 

「えー!? りゅーたろー! まってよー!」

「えー!? ぼく達とあそぼうよー!」

「いやだよ! 君達と遊ぶと疲れるんだから! 大体ここに来るのだって―――」


双子は竜太郎と言い合いをしながら彼の後をばたばたと追いかけて行く。

灯は困惑顔で思わず「なにしにきたのあの子達」と呟いた。

九十九はと言うと、ははは、と笑いながら


「さて、僕も帰らないと。雷天様に怒られちゃいそうだ」

 

と言い、立ち上がって服の乱れを整える。

灯はそんな彼を見上げ、真剣な表情で「気を付けるよーに」と一言。

そんな彼女に大丈夫だと笑いかけ、九十九は帰っていった。

残された一人の少女は、憂いを帯びた瞳で呟く

 

「何で、幼馴染だっていうのに、何もしてあげられないんだろ」

 

一人は親友に対し心を閉ざし、一人は記憶を無くし、一人は妖の支配と隣り合わせ。

灯は自らの膝を抱え、そこに顔を埋(うず)める。

 

「何も出来ないとかー、六家さいきょーの名が泣いちゃうじゃん・・・・・・」

 

・・・・・・少なくとも、自分が修行中の身である事は理解している。

だが拭いきれない歯痒さに、苛立ちを覚えてしまうのだ。

膝を抱える自身の腕の力に、強さが増した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何気なく、いつもの道を歩いていた。

・・・・・・そして何気なく、森の中を覗いた。

何故そんな行動をしたのかは、自分でもわからないけれど

――でも、間違ってはいなかった、と今では思う。

 

 

 

 

木々の間の道。そこに居たのは、頭髪の上から下にかけて青から紫に変わっていく

とても人間のものとは思えない髪色をした少年。

 

・・・・・・見た限りでは、僕と同じぐらいの歳だろうか?

 

「なぁ、こんな所で何してるんだ?」


何の戸惑いもなく、少年に声をかける。

 

瞬間、刃の切っ先が視線の端から端へと通り越した。

既の所(すんでのところ)で攻撃を躱(かわ)しながら、腰に掛けていた刀を鞘ごと抜く。


「物騒な武器だな」

 

そう一言呟くと、目の前の少年―――否、人型をした妖は、柄物(えもの)を左手から右手に持ち直し、片手で肩に担ぐ。

見た感じ、彼の背丈ほどの大きさの大斧の様だ。

それにさっきは後姿しか見ていなくて気付かなかったけど、酷い怪我が数ヶ所見受けられた。


「・・・・・・人間が、何しに来たんだ」

 

こっちを睨む瞳は、眩(まばゆ)い金色に輝いている。

だけどその視線を気にもせず、僕は陽気に話しかけた。

 

「凄いな! そんな大きな武器を片手で持てるなんて! 僕には出来ない事だし、羨ましいや」

 

すると妖の少年は「はぁ?」と思わず気を抜かし、困惑している様子だった。

・・・・・・うん、やっぱりか。僕の予想通りだ。

少年は、はっと我に返り呆れたような口調で話す。

 

「当たり前だろ? 人間とは体の構造が違うの。弱っちい人間なんかと一緒にするなよ。お前阿呆じゃないか?

それとも殺されたいのか?」

 

御尤(ごもっと)もな返事に、思わず笑う。でも、殺すつもりなら話なんて乗らないだろ? 

そう伝えると、彼はぐ、と言葉を飲んだ。

 

「何かあったんなら、話してくれても良いよ。僕は他の“六家”とは違う。

・・・・・・妖には、理解があるんだ」

 

少なくとも彼は他の妖とは違い、人に殺意を向けきれていない。

僕の言葉に驚いた顔をすると、暫くして言い辛そうに実は、と口を動かした。

 

だがそれも束の間、彼の背後から巨大な棍棒が飛んでくる。

咄嗟に僕は鞘から刀身を抜き、彼を押し退け回避させた。

そして“それ”を鞘と刀を交差させながら受け止めて、彼を退かせたのとは反対の方向へと受け流し、ほっと一息つく。

 

「・・・・・・危ない危ない。流石に刀、折れるかと思った」

 

まだ手に残る反動の余韻を確かめながら、それが飛んできた方向を見遣(みや)る。

そこに見えたのは見間違えようもなく、青い巨大な体躯(たいく)の“鬼”と言うに相応しい人型の妖。

その容貌を見た僕は無意識に少年の方を向き、成る程、と納得する。

きっと彼は“鬼”の一族なのだろう。

だからこそ、自分の背丈ほどの大斧を軽々と持ち上げて尚平然としていたのだ。

 

だが注目すべきはそこではなく、彼の“身体の大きさ”にある。

彼は鬼にしては小さく、それでいてか細い。

噂では、鬼は大人になれば大斧などの巨大な武器を持てるようになるが、子供には重くて持つ事が出来ないのだと聞いた事がある。

それだと言うのに、容姿的に少年にしか見えない上、むしろ鬼より人に近い見た目の彼は容易に大斧を持ち上げ振り回していた。

 

それを踏まえれば、この一連の出来事に予想はつく。

 

「・・・・・・異形の迫害、か」

 

ぽつりと呟いた言葉に、彼が微かに反応した。

それを尻目に、はぁ、と小さく息を吐く。

 

「僕達人間も、他人(ひと)の・・・・・・いや、妖の事は言えないけど。

・・・・・・やっぱり実際に見ると、余り気分の良いものじゃないな」

 

言いながら、居合いの構えをとる。

 

 

 

 

f:id:nananowank:20161030173836p:plain

 

 

 

 

鬼は大口を開けて笑いながら、重低音の声をその場一帯に響かせた。

 

「気分の良いものではない? ハハハ! だからどうしたと言うのだ。

・・・・・・退(の)け小童(こわっぱ)。儂はそこの出来損ないに用がある」

「断る。たとえ妖であれど、僕の様な子をこれ以上増やすわけにはいかない」

「そうか・・・・・・ならば貴様も潰すまでよ!」

 

 一際大きな声を上げたかと思うと、鬼は何もない所から棍棒を顕現(けんげん)させた。

それに対し僕は思わず目を見張る。

 

「今の一体どうやって・・・・・・って、うわっとっと!」

 

頭上に振り下ろされる鈍器を紙一重で避け前転し、背後に回り込んで脹脛(ふくらはぎ)を深く斬りつける。

森に響く、鬼の声。それでも尚、冷たく言い放つ。

 

「青鬼さん。僕なんかに斬られる様じゃ、“他の皆”には手すら触れられずに終わるよ」

 

一つ、二つ、三つ。

 

「だけどもうそんな事、関係ないかな」

 

下から順に、素早く急所を突く。

 

青紫の眼光の軌跡は雷光の様に奔(はし)り、その様(さま)はまさに“稲妻”の如く。

 

次の瞬間には血濡れで倒れた青い鬼と、それを見下ろす黒い少年がその場に在った。

刀に付いた血を払い、鞘にしまう。

“それ”を見ていた妖の少年は、為(な)す術(すべ)もないままその場で呆けている。

ふと僕が其方(そちら)を見ると、彼はようやっと口を開く。

 

「あんた、見かけに寄らず強いんだな」

 

・・・・・・随分と失礼なことを言われた気がするけど、正直な話自分でも自身が弱そうに見えることは自負している。

すると少年は、ぽつり、ぽつりと話し始めた。

 

「あのさ、そいつ・・・・・・俺の親だったんだ」

 

ふらりと立ち上がり、死体に近付く。

 

「鬼の一族に、途轍(とてつ)もなく誇りを持っててさ。

・・・・・・だからこそ、“鬼に成らない”俺を、殺そうとしたんだろうな。

本当は人間の子なんじゃないかって・・・・・・紛れもなく、俺はこいつの子だったのに」

 

呟きながら、鬼の持っていた棍棒をひょい、と持ち上げそれを悲しそうに見つめる。

そんな力持ちの人間、いるはずがないんだけどな。

閉じられた世界に居ると、そんなにも視野が狭くなるのか。

 

―――まるで、彼の話が自分の事の様に思える。

 

ふと僕は彼に笑いかけ、彼の名を何気なく聞いた。

彼は少しの躊躇(ためら)いを見せるも、はっきりと「那由多」と答える。

 

「あんたは?」

「ん?」

「・・・・・・あー、その・・・・・・あんたの名前も教えて欲しいなってさ」

 

恥ずかしそうに頬をかき、那由多は僕から目を逸らす。

僕はそれを見て笑いながら、自分の名を名乗る。

 

「僕は来城(らいき)九十九。来城家の・・・・・・次期当主だよ」

 

“次期当主”と名乗る事に若干のむず痒さを覚えながら、しっかりと言葉にする。

すると那由多は目を見開き驚いた顔をした。

 

「あ、あんた・・・・・・“六家”の人間だったのか・・・・・・

全然力を感じないから、普通の人間だと思ってたぞ・・・・・・? なんでだ?」

 

呆気に取られた様子の彼の言葉に思わず苦笑する。

 

「君の言う通り、僕は力を持ってない。要するに霊力も持ってないし

視る事しか出来ない。・・・・・・だから、それを補うために体を鍛えてるんだ」

 

自分の目の前で拳を握りしめて彼の方に向き直し、彼が持っていた棍棒を両手で受け取る。

それに対してまた那由多は口を開けて驚き、僕はまた苦笑しながら話し始める。

 

「僕は、君と同じなんだ」

「同じ?」

「親に捨てられて、来城家に拾われた。それ故に術が使えない・・・・・・養子だから」

 

その言葉に那由多は首を傾げ「もしかして人間じゃないのか」と聞いてくる。

否、僕は紛れもなく人間だ。

 

「さっき言っただろ? “人間も妖の事は言えない”って。・・・・・・そういう事だよ」

 

遠くを見て微笑みながら「流石にずっとは持ってられないな」と言って棍棒を下ろす。

そして彼を見、思いついた事を提案する。

 

「那由多・・・・・・もし行く当てが無いのなら、僕の所へおいでよ。

その、他の所と違って天神様の“出入り”が激しいけど・・・・・・ちゃんと僕が説明するから」

 

那由多は目を見開き、呆けている。さっきからその顔ばかりだと思わず吹き出す。

僕の言葉に頬を膨らませ、仕方ないだろ、と顔を逸らす。

 

「今日は、初めての事ばっかなんだ。そりゃこの顔ばっかになるだろ」

 

頬を押さえ、小さい声で文句を言いながらも、此方を不安そうな瞳で見てくる。

 

「でも良いのか? 俺、妖なんだぞ? 絶対怒られるだけじゃ済まないだろ」

「・・・・・・良いんだよ。妖だからって、疎外する理由なんてない」

 

微笑みかけ、手を差し伸べる。彼は戸惑いながらも僕の手を取った。

 

「なぁ」

「うん?」

「アニキ、って呼んでいいか」

 

突然の言葉に、今度は僕が呆気に取られる。

 

「なっ・・・・・・なんで? い、いや、良いんだけどさ」

 

思わず声が裏返った僕に対し、那由多はお返しとばかりに吹き出した。

そして、真剣な目になり、此方を見つめる。

 

「じゃあ、アニキ。・・・・・・あんたは、俺の命の恩人だ。

俺、あんたみたいに強くなりたい。そんで、あんたを守れるようになりたい。

それがこの馬鹿力しか取柄(とりえ)のない、ただの妖の俺に出来る唯一の恩返しだから」

 

握る手に、力がこもった。

真っ直ぐで透き通った、強い意志を宿した瞳で見てくる。

暫くの沈黙のあと、僕はふ、と笑い、彼の手を引いた。

 

「うん、わかったよ。・・・・・・まずは、雷天様に紹介しなきゃな」

 

僕は妖と・・・・・・否、一人の少年と共に帰路に就く。